ビジカジ問わない粋な鞄!マスターピースブロッキー2wayバッグのレビュー
今回私が紹介する本革製鞄は【master-piece Blocky(マスターピースブロッキー)】となります。
マスターピースは言わずと知れた日本製鞄の雄でありますが、私の居住地域に於いて、私以外に本鞄が使用されている所を見たことがありません。
マスターピースというマジョリティの中で、敢えてのマイノリティな鞄ですので、希少性としては専ら高い部類に入るのではないでしょうか。
確かにその見た目は如何にもマスターピース然としており、元より本メーカーを好むユーザーには好評かと思いますが、初めて見かけたマスターピースの購入を検討している方には、やや無骨にも捉えられるデザインなことでしょう。
実際、購入を検討しつつも購入に至らないケースが多いと知り合いのショップ店員から聞き及んでおります。
さて、そのような背景を持つ本鞄ですが、やはり使用者の意見こそ今後購入を検討している方々に対し最も有益な情報であると信じ、早速となりますが本鞄の紹介をさせて頂きます。
『鞄』としての完成度に惚れ込んだ!
この鞄を購入するに当たって最も心惹かれた点はずばりその完成度です。
ブロッキーシリーズはブリーフバッグのような手持ちと、メッセンジャーバッグのような肩掛けを想定し作られた2wayバッグです。
前者はビジネスシーンに耐え得るハードさを兼ね備えた使用法となります。
後者はどちらかと言えばカジュアル的使用を想定しているものの、両手に自由が利くことから自転車やバイク通勤への条件を満たす等、ビジネスバッグとしての汎用性も保持しておりますので、ビジネス・カジュアルの垣根を越えて様々な場面で使用される一因となることでしょう。
モカシンシューズ(US10.0日本サイズ28.0)を入れても容量としては余るくらいですので、日常使用の他、短期旅行の荷物程度ならば余すところなく持ち運びが可能かと思います。
私の日常使いとしては写真のように数冊の参考書、財布、メガネケース等をメインスペースに収納しておりますが、容量としてはまだ空きがある程です。
容量の大きい鞄は得てして汎用的なデザインと成りがちですが、ブロッキーは寧ろマスターピースらしさを全面に出しつつ、それでいて今までのマスターピースにない革新的な風貌でありましょう。ブライドレザー調の外観が本当に気に入っています。
又、メインスペース以外にモバイル端末用の収納部屋を完備している点や、内部素材にターポリンを使い防水に備える等、随所に於いて隙のない造りをしている鞄なので、購入者の扱い方次第ではメーカーの想定以上にブロッキーを使い倒すことが出来るでしょう。
背部にファスナー付き開口部以外の収納スペースが完備されている為、定期ケースのような使用頻度の高い小物を入れ、スマートに取出しが可能です。
ジッパー付きインナーサブスペースは、ポケットティッシュや常備薬等の小物収納に一役買っています
ここが嬉しいブロッキー
ブロッキーはその性質上、風貌の劣化がありません。『無い』と言えば語弊がありますが、劣化ではなくエイジングが進むと言った方がより正確なものです。
オイルドレザーに真鍮製カラビナをあしらったブロッキーは、使用環境下によって千差万別の変化を来たします。
雨風に晒され太陽を浴び、オイルを入れて鞄を磨く。くすんだ真鍮や所有者特有の癖皺、大小様々な傷といった無数のアクセントを経て、自分だけの鞄を成形していきます。
真鍮製パーツが使用によって独特の風合いに変化します。磨きを加えれば購入時のような輝きを出せますが、レザーの成長具合と合わせるならば、今のような状態が寧ろ良い雰囲気を醸し出します
普段はショルダーバッグとしての使用が主なので、此方側はあまり経年変化が見られないものです。レザー部分に付いている細かい傷は、オイルメンテナンスによって解消されます。
ここが駄目だよブロッキー
ブロッキーは風貌上の経年劣化がないと前述に述べましたが、悲しいかな、内部構造はその限りでは在りません。
防水加工の恩恵を与えるターポリン素材ですが、折込みの強い蓋部分は長期間に渡る使用でどうしても破損が生じます(画像赤丸の部分)。
これは使用期間が長くなれば他のターポリン箇所にも現れてくると思われますので、その後のケアが必要になるでしょう。
又、使用を重ねて最も気に係った点は、公称値約1.9kgとされる、その重量です。
手持ちとしてする場合は然程気にならないものの、肩掛けで、かつ継続的にブロッキーを使用した場合、その重さに辟易とする場面は少なく在りません。
素材やデザインに比重を置いた鞄ですから、多少の重量に目を瞑ることがマスターピースとしての妥協点だったのでは、と主観では捉えておりますが、どうにかもう少し軽くならなかったのかと思うばかりです。
まとめ
ブロッキーは定価46,000円と決して安い買い物ではありません。又、2wayバッグとしては結構な大きさですし、デザインも30代前後までの若年層を意識したものでから、万人に須らく受け入れられる鞄ではないと思います。
しかし、経過年数を重ねる毎に自分色に染まっていき、その過程を楽しめるという確かな魅力をマスターピース・ブロッキーは秘めています。
レザーカラーも本レビューで登場したチョコ以外に、黒・緑等の全5色が取り揃えられており、より自分の琴線に触れたものを選ぶことが出来ますので、ビジネス・カジュアル問わず是非一度ご検討くだされば、同じ鞄の所有者として嬉しい限りです。